名古屋地方裁判所 昭和44年(わ)341号 判決 1969年10月17日
本籍
名古屋市西区西菊井町三丁目九番地
住居
名古屋市西区菊井通七丁目一一番地
コルク栓王冠等製造販売業
船橋こと舩橋市郎
明治三五年五月一八日生
主文
被告人を懲役一年および罰金一、〇〇〇万円に処する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間労役場に留置する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
昭和四四年三月一一日付起訴状記載の公訴事実と同一であるから、これを引用する。
(適用した罰条)
所得税法一二〇条一項三号二三八条一項二項
刑法四五条前段四七条一〇条二五条一項一号一八条
刑事訴訟法一八一条一項本文
裁判所書記官 山崎松三
(裁判官 桜林三郎)
(公訴事実)
被告人は、名古屋市西区菊井通七丁目一一番地において、コルク栓、王冠、プラスチック栓等の製造・販売を業としているものであるが、営業所得などの一部を秘匿して、所得税を免がれようと企て、
第一、昭和四〇年分の実際の総所得金額は、すくなくとも一、七七八万四、五二六円であり、これに対する所得税額は八一九万円であるのに、営業所得の売上の一部を除外して架空名義の預金を設定するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和四一年三月一五日、所轄名古屋西税務署において、同署長に対し、その総所得金額は一六四号八四円、これに対する所得税額は二二万一、七七〇円である旨の過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、右不正な方法により正規所得税額と申告所得税額との差額七九六万八、二〇〇円をほ脱し、
第二、昭和四一年分の実際の総所得金額は、すくなくとも二、二一二万一、四五〇円であり、これに対する所得税額は一、〇六〇万九、九〇〇円であるのに、前同様の不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和四二年三月一五日、所轄名古屋西税務署において、同署長に対し、その総所得金額は一三八万一、七二八円、これに対する所得税額は一四万五、八一〇円である旨の過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、右不正な方法により正規所得税額と申告所得税額との差額一、〇四六万四、〇〇〇円をほ脱し、
第二、昭和四二年分の実際の総所得金額は、すくなくとも二、五二〇万八、五七二円であり、これに対する所得税額は一、二三四万八、〇〇〇円であるのに、前同様の不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和四三年三月一五日、所轄名古屋西税務署において、同署長に対し、その総所得金額は一一四万四、九九八円、これに対する所得税額は八万六、八〇〇円である旨の過少の所得税確定申告書を提出し、もつて、右不正な方法により正規所得税額と申告所得税額との差額一、二二六万一、二〇〇円をほ脱し
たものである。
昭和四四年一〇月二日
検察官 近藤之彦